胸に抱え込んだ迷いがプラスの力に変わりますように

日ごろ、会員の皆様には格別のご支援、ご理解、ご指導を賜りまして真にありがとうございます。

 この度、理事長として拝命を受けました、尾畑 聡英でございます。

 

 ただ今、全県を対象に、『ピアネットワークinしが』というプロジェクトを9月より本格的に始めております。

 

 これは、新しい福祉の形として、【 アウトリーチ(訪問)型セルフヘルプ(自助)グループ事業 】(長いのですが・・・)とでも申しましょうか、これまでの福祉が施す側、施される側で構成されているものと定義させていただくとすると、施す側も施される側も関係なく、参画している(関わっている)人全員で、組織運営から考えて行こうとするものです。

 

 私は、以前より家族会のご家族の方、当事者の方を拝見していて、病気を患っている方がより、人間らしく、と言いますか、より“普通の幸福感”を得られるようになるために、どのような形で進んでいくことが望ましいかを模索していました。

 

 また、精神障害を取り巻く歴史も自分なりに本を読んで、また、直接、精神障害を患っている方とお話をさせて戴き、障害といっても、自分の意思を持ち自分で選択でき、自分で物事の好き、嫌いを理由を持って言える、人格のある人たちが多い、と感じていました。

 

 もちろん、入院生活の長い重症患者の方ではなく、普通にご家族の方と暮らしている方が多いので、その歴史上私が申し上げる方に該当されない方がいらっしゃることも存じております。

 

 しかし、まずは軽症の方が地域社会で、より安心・安全に暮らせる世界を実現しないと、いわんや重症の方は進んで(喜んで)地域社会に出てくることを果たして望まれるだろうか?と考えた時にやはり、まずは軽症の方がより安心・安全に地域社会で生活を営めるようにすることが先決だと、考えました。

 

 また、20代、30代、40代、50代、60代ずっとお父様、お母様と暮らされていらっしゃる方が多い中、やはりそこからの独立を考えた時に人間に必要なのは“仲間の力”ではないだろうか?と考え、『ピアネットワークinしが』を企画して、行動し始めました。

 

 人が交わると、そこには摩擦も生じますが、情報の取得、友情、連帯感、仲間同士でひとつの物事に取り組む達成感も味わうことが出来、マイナス以上のプラスが得られると思います。

 

 私たちは、いわゆる健常者と呼ばれている人たちでも、決して孤島で一人きりで生きているわけではありません。

どうか、病気の人も、病気でない人も、みんなが“普通の幸福感”を味わう瞬間がおおくなるよう、祈っております。

 

 今後も会員の皆様の多大なるご理解、ご支援、ご指導が必要となります。

 

 当会が皆様の思いの実現に役に立つ組織となるために日々精進させていただく所存でございます。

 

 どうか、今後ともより一層のご愛情を注いでくださいますよう、重ね重ねお願い申し上げます。

 

 この文は先日刊行された機関紙の前文に掲載されたものを改訂したものです^^